『ファインバブル(水質技術革命)が養豚排せつ物処理の世界を変える

微細な気泡(ファインバブル:Fine Babble)が、私たちの食糧生産を助けるより持続可能な技術として認知されつつあります。ここでは初歩的な実験室実験における、養豚排せつ物(豚尿)の効果的な処理実績について、報告をさせていただきます。

 

 

“ファインバブル”(微細な気泡)という言葉は、最近多くの人々が耳にするようになってきたと、筆者は認識しています。海の回遊魚である「はまち」の養殖や、内陸の温泉地域での「トラフグ」の養殖、さらに「エビ」の養殖についても、内陸の河川流域で養殖する技術も確立されています。加えて、野菜(葉物や苺など)についても、屋内で栽培する水耕栽培が盛んに行われるようになってきています。私たちが必要とするこれら食糧の栽培・育成方法が、大きく変貌を遂げようとしています。これらを可能にしたのは、栽培・育成に欠かせない水の革命、すなわち“ファインバブル”をより多く水中に送り込む技術の進歩です。つまり、必要とする「水質の技術革命」がなしえたものと、筆者は見ています。“ファインバブル”の登場により、水中の酸素濃度を従来の1.5倍も高めることに成功した。この技術革命により、「動植物の育成・栽培手法に革命」が起こったと、私は考えています。

 

以上のように、“ファインバブル”がしでかす現象が、徐々に解き明かされつつあります。水中に酸素濃度を高めることは何でもないようですが、従来の技術では莫大なエネルギーを使っても、常温水(15〜25℃)における飽和酸素濃度は8㎎4/ℓ〜<10㎎/ℓでしかなかったのが、ファインバブルを使うと1.5倍もの飽和酸素濃度にすることが可能となりました。しかも、使用するエネルギーは、従来の1/2〜1/3で可能です。

 

 

様々な分野で利用が高まり、認知度が急上昇しています。ただし、“ファインバブル”がしでかす事象の根拠を、技術的に説明した資料はいまだ極めて少ないのが現状です。

 

 

ここでは、「豚尿の浄化試験」にファインバブルが、有効な技術であることについて、日本初の浄化試験資料を紹介します。この技術資料は、あくまでも実験室実験におけるデータに基づくものですが、数ミクロンサイズの“ファインバブル”が、豚尿を効果的に浄化する有望な技術である証拠のいくつかを明らかにできました。詳しくは「技術報告書」(参照:http://os-lab.info/wp/wp-content/uploads/2016/01/10142672e910352dac540973dc25b8de.pdf)をご覧ください。“ファインバブル”に期待する特徴的な技術は、次の①〜⑤に示したものです。ファインバブルは、従来の活性汚泥処理法におけるバブルアシスタントとして、十分に期待できる新技術であると、筆者は考えています。

 

 

1.省エネルギー:従来の曝気装置の一部をファインバブル発生装置に置き換えることで、電力消費量が削減できます(既存施設の改造を殆ど必要としません)

 

2.省資源化:汚水処理は、BODやSSの負荷を下げる意味で水による希釈が望ましいが、従来のそれよりは少量で可能です。

 

3.悪臭の減臭:汚水中のファインバブル(微細気泡)が、臭い物質であるアンモニアの消化反応を促進させ、尿臭は見事に減臭します。

 

4.排水基準を満足する適切な汚水処理:従来の活性汚泥処理レベルの水質浄化が実現できます。

 

5.余剰活性汚泥の縮減:処理水中の飽和酸素濃度が、従来手法の1.5倍もあることから、酸素による汚物の分解促進が同時並行的に起こることから、余剰活性汚泥の発生量が抑制されます。

 

 

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